全国自死遺族フォーラム2008
(2008年5月17日開催)
に関する報道内容です

 【日本経済新聞社(2008年5月18日朝刊)】

 自殺者遺族会 仙台で初集会
  家族亡くした思い 共有 支援制度の問題点など訴え
 全国の自殺者遺族の相互交流を目的に結成された民間団体「全国自死遺族連絡会」の初めての集会が十七日、仙台市で開かれ、遺族同士の連携の必要性や、現在の遺族支援制度が抱える問題点の改善を訴えた。
   
 連絡会は、仙台市で遺族の自助グループを運営する主婦、田中幸子さん(59)が世話人。県外からも多くの相談が田中さんに寄せられていたことから、全国規模の組織を立ち上げようと設立した。二月末現在で二十五都道府県の百九十三人が参加している。

 集会では宮城や福島、大阪の遺族が、今回の連絡会を立ち上げる必要性について説明。母親を亡くしたという福島市の奥山典子さん(48)は、世話になった民間ボランティアのスタッフが個人的な事情を外部に漏らした経験を紹介し「遺族同士だからこそ、同じ気持ちの中で分かりあい、信頼できる」と話した。

 この春、大学を卒業した岐阜市の杉山久美さん(41)は自殺者遺族への支援制度のあり方をテーマにした卒業論文を作成。「遺族支援の仕組みづくりが遺族抜きで進められている」と現状の問題点を指摘した。

 警察官の夫を過労による自殺で亡くしたという長野県松本市の女性(44)は労災認定を受けるまでの困難を乗り越えた経験を語り、同じ悩みを抱える遺族を励ました。

 【河北新報社(2008年5月18日朝刊)】

  孤立せずつながりを 仙台で自死遺族フォーラム
   初の全国自死遺族フォーラム 自助組織必要性訴え

 全国の自殺者遺族らが、相互交流や予防活動の在り方などを話し合う「全国自死遺族フォーラム2008」(全国自死遺族連絡会主催)が十七日、仙台市青葉区の市シルバーセンターで開かれた。開催は初めてで、13都府県の自死遺族ら約150人が参加。家族を亡くした苦しみと向き合う体験談などが相次いで紹介された。

 連絡会世話人で、自助グループ「藍の会」(仙台市)の田中幸子代表(59)が「同じ立場の人との出会いがなかったら、生きていられなかった。孤立する遺族と少しでもつながりを持っていきたい」とあいさつした。

 フォーラムでは田中さんのほか、「ふきのとうの会」(大阪府枚方市)、「こもれびの会」(福島市)の代表らが、気持ちを分かり合える自助グループの必要性を説明。会場からは「心の痛みを感じられる教育こそ大事」「当事者抜きの支援にとどまっている」など、行政の支援との溝を指摘する意見も出た。

 いじめが原因で2人の娘を亡くした宮城県の男性と、過労自殺で夫を亡くした長野県の女性も壇上に立ち、つらい過去を振り返りながら「命より大切な会社や仕事はない」などと訴えた。

 会員が24都道府県に広がった連絡会は来春、福島市で2回目のフォーラムを開催する。

 【共同通信社(2008年5月17日11:58)】

  家族亡くした思いを共有 自殺者遺族連絡会が初集会
 全国の自殺者遺族の相互交流を目的に結成された民間団体「全国自死遺族連絡会」の初めての集会が17日、仙台市で開かれ、遺族同士の連携の必要性や、現在の遺族支援制度が抱える問題点を訴えた。

 連絡会は、仙台市で遺族の自助グループを運営する主婦田中幸子さん(59)が世話人。県外からも多くの相談が田中さんに寄せられていたことから、全国規模の組織を立ち上げようと設立した。2月末現在で25都道府県の193人が参加している。

 集会の冒頭で田中さんは「たとえ緩やかでも、孤立している遺族と少しでもつながりたい」とあいさつした。

 集会では宮城や福島、大阪の遺族が、今回の連絡会を立ち上げる必要性について説明。母親を亡くしたという福島市の奥山典子さん(48)は、民間ボランティアのスタッフに個人的な事情を漏らされた経験を紹介し「遺族同士だからこそ、同じ気持ちの中で分かりあい信頼できる」と話した。

 【共同通信社(2008年5月17日19:41)】

  自殺者遺族連絡会が初集会 適切なケア求める声相次ぐ
 全国の自殺者遺族の相互交流を目的に結成された民間団体「全国自死遺族連絡会」の初会合は17日午後、仙台市で引き続き開かれ、遺族支援の仕組みづくりや自殺が懸念される人に対するケアで適切な行政の対応を求める声が相次いだ。

 この春、大学を卒業した岐阜市の杉山久美さん(41)は自殺者遺族への支援制度のあり方をテーマにした卒業論文を作成。「遺族支援の仕組みづくりが遺族抜きで進められている」と現状の問題点を指摘した。

 警察官の夫を過労による自殺で亡くしたという長野県松本市の女性(44)は労災認定を受けるまでの困難を乗り越えた経験を語り、同じ悩みを抱える遺族を励ました。

 そのほか、いじめ問題の深刻さや自殺につながるうつ病への対策のあり方についても、全国から集まった参加者から意見が相次いだ。

 集会の終了後、連絡会の世話人を務める田中幸子さん(59)は「この会を受けて遺族同士のつながりをさらに広げていきたい」と話した。

 【時事通信社(2008年5月17日18:08)】

  自殺者遺族フォーラム開催=「苦悩分かち合う」
 自殺者の遺族が経験を共有し支え合えるつながりづくりを目指して、「全国自死遺族フォーラム2008」が17日、仙台市で開催された。

 フォーラムは全国自死遺族連絡会が主催。全国から遺族や民間非営利団体(NPO)、行政関係者ら約150人が参加。遺族らは自らの経験を話し、残された遺族に対する社会の無理解、支援の現状に不満を訴えた。

 フリートークでは、遺族らが声を詰まらせながら、「息子が自殺したと知ったとき、頭が真っ白になって葬儀の記憶がない。自分も後を追って死のうと思い海に入ったが、死ねなかった」「自殺者に対する『逃げた』とか、周囲の冷たい目線が遺族にとってどれだけつらいか」など、それぞれの苦悩を語り合った。

 【読売新聞社(2008年5月18日朝刊)】

  自殺者遺族らがフォーラム開催
 自殺で親族を失った遺族たちによる「全国自死遺族フォーラム」(全国自死遺族連絡会主催)が十七日、仙台市青葉区で開かれ、遺族や支援者ら約150人が参加した。フォーラムは参加者の意見発表も交えて3部構成で行なわれた。第一部は「なぜ当事者の会が欲しいのか」をテーマに、仙台市と福島市、大阪府枚方市の3団体の代表者ら計4人が自らの体験を語った。

 枚方市の「ふきのとうの会」の竹井京子代表(59)は、2年前に一人息子(当時19歳)を亡くした。形見の腕時計を示し、「死んだ息子の腕で、時計だけが動いていた。どう生きれば良いかわからなくなった時、同じ境遇の人に話を聞いてもらい、気持ちが楽になった」と振り返った。

 また、意見発表で千葉県の男性が「今月2日が妻の命日で、新たな悲しみがわき上がってきた。この気持ちを消せずにあと20年、30年と生きるのはつらい」と打ち明ける場面もあった。
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